直接的な原因は左腹部の激しい痙攣で、高社山から下って27km地点で発症した。繰り返し襲い掛かる激しい痛みに立ち上がれず、30分近く休んだところでやむなく走りを再開した。そこから塩熱サプリやスポーツドリンクも相当投入したものの時すでに遅しか。痙攣は左足ふくらはぎ、左手などに広がっていき、トレイル上でテクニカルな動きが全くできなくなってしまった。上半身の力が使えない状態で足に頼り切った結果、カヤの平(48km)地点で余力がなくし、フワフワのトレイルで回復に期待したが、さらにここでも再び大きめの痙攣で希望は打ち砕かれた。58km地点で次の関門まで2時間半弱。なんのことはない林道の下りすらまともに走れず、72km地点の関門で諦めた。
高社山でもっと余力を残せばよかった、と思う一方で、そこまで力んだつもりはなかったし、スピードも敢えて抑えていた。一方で心拍は170台から全然落ちず、序盤の上りから足を止めることが多かった。下りの合間の上りでもバテバテ。スタート地点に戻ってきたところ(27km)の痙攣で調子が全然良くなかったのだと認識した。関門まで1時間の余裕を残していたが、回復待ちで相当時間をロスしてしまった。
1回目の糠塚までの記憶はほぼなく、エイドで補給食をたらふく摂取し回復を祈った。カヤの平までの上りは高社山と比べればたいしたことはなく、というか足場のぬかるみさえ気にしなければ強度も低い。ただ、前述の痙攣で走ることはできず、渋滞をこれ幸いと休み休みでなければ歩けなかった。上り切ったところからしばらくトレイルの緩い下り。テクニカル的には全然走れる道だが、倒木(枝程度)をジャンプすると足が攣るのでバランスが取れない。序盤で稼いだ時間をキープできるかが今後のレースの継続にかかっていると思い、林道区間を走る。走れたものの大腿四頭筋がにぶい。無理な歩き方が負担をかけたのだろうと思われた。
カヤの平はトレイル区間。序盤は気合を入れ直して走ったものの、5分ほどで腹筋の痙攣が再発してしばらく動けなくなった。このタイミングでDNFを意識した。ポール禁止とはいえ下りも上りも難度は高くない。ここを走れないということは、ロード区間はもう無理なんだろう。カヤの平エイドの2回目。インソールをクッション性の高いものに交換したものの、腹筋がつって紐を縛れない。仕方なくそのままエイドを出て、15kmの下りをとぼとぼ歩いた。靴紐を数km進んだところで、痛みが弱まったのを見て緩く結んだ。
20時40分ごろ、糠塚。タイムオーバー。意外とすぐに来たバスに乗り込み、どこかでフラスクを落とし、せっかく用意されていた風呂にも入らず、その足で高速に乗り、PAで何度も休憩を取りながら、翌朝4時に帰宅した。痙攣さえ出なければ十分完走はできると思えるコースだった。とにかく悔しいし、自分の力って結局こんなもんかと情けなくなった。






思えば少し気を詰め過ぎていたのかもしれない。初めてレースに投入したPaaGo Rush11Rもソフトフラスクも使いこなせず、軽量化のデメリットをもろに感じてしまった。エナジージェルでは空腹感を紛らわすことができず、厳しい時間を過ごした。重いと言われればそうかもしれないけど、Rush30に2Lハイドレーションを差し、菓子パンを詰め込んで、ジョギングペースを維持するのが私らしい走り方なんだと思うようになった。
