翌週から国道3号九州の旅が控えているというのに、土曜日朝一番の小松発羽田行のJAL便に乗っていた。11月から延々と続いた仕事の山、もうこれは山脈といっていいほどの連なりをようやく乗り越え、ほっと一息をつけるタイミングがここにしか無かったのだ。
どんよりとした日本海の空を抜けて太平洋側の青空を進む。飛行機の中ではスマホのGPSで現在地をずっと見ていた。東京に入る前、飛行機は房総半島をぐるっと回る。ふと遠くに鋭く尖った半島が見えて、あれが国道16号の終点である富津岬だと気づいた。窓際に居たのをいいことに、写真を撮ろうと構えたものの、いつまでたっても先っぽの部分が窓に入らない。そうしているうちに飛行機は方向を変え、着陸体勢を取り始める。岬先端のちょうど真上を通り過ぎた瞬間。連射した写真を後で見返すと、翼とエンジンの間に富士見のモニュメントが映っていた。あの上に立ってからもうすぐ2ケ月が経つ。


羽田についたらすぐに東十条へ。目的は環七(都道318号)ランニング。荒天が続く北陸ではここ2カ月LSDが出来ていない。怪我の具合はすっかり良くなってはいるから、一度筋肉を長距離に慣らしておくのが目的だ。しょっぱな国道17号との交差、青梅街道、甲州街道、国1。これまでの旅とこれからの旅が交差する。西側半分で28キロ。少し時間はかかったけれど、ひざやらアキレス周囲炎の痛みは全然無く、これまでの旅に比べても相当有利なはずだ。大森でゴールし、電車で川崎。カプセルホテルの近くで東海道宿場町の看板を初めて見つけた。

翌日曜日はお買い物。来る4月のMt.FUJI100に備えたザックの新調のため、石井スポーツに行く。旅ランでは永らくPaaGoのRush30が不動の相棒だが、同系統とはいえRush11Rが自分に合わないのは昨年の奥信濃100で実証済だ。代わりに目星をつけていたのがTNFのTR10、もしくはTR Roket。普段ノースフェイスは候補に入れないブランドではあるが、TNFがガチで商品開発した時の力は凄まじいのは認めざるを得ない。(手抜き商品があると言いたいわけではない) 結局のところ、白黒のTR10を購入した。試着してみて全てにおいて考慮された配置が素晴らしかった。ついでにPaaGoのTrailbank(S)を買い、本財布との二段構えで旅ランの安心を確保することにした。これは四国の旅で得た教訓だ。
最近東京旅行でルーティンに入るようになったのが神保町の東京堂書店。ここで九州に纏わる軽めの読み物が無いと探していたところ、目に留まったのが諏訪に関する本だった。フォッサマグナの旅の前に購入したものの続編のようで、全国にちらばる諏訪神社の由来を聞いて回る内容だ。第一章に書かれているのは我らが能登の国一の宮、気多大社となれば、これを買わずしてなるものか。
小倉までの切符も手に入れた。想定よりも少し早く到着できそうで、であれば門司まで行っちゃう余裕もできちゃいそうで。自分の全てを懸ける9日間の旅がもうすぐ始まる。

